5030系

[御注意] この項に登場する企業名および製品名は実在するそれらとは全く関係御座いません。

編成

(令和3年1月現在)  

2両編成20本 4両編成14本 6両編成15本 10両編成16本

軌間 1,067mm
饋電方式    直流1,500V 架空電車線方式
最高運転速度 120km/h
設計最高速度 130km/h
起動加速度 3.3km/h/s
常用減速度 3.8km/h/s
非常減速度 4.5km/h/s
車両定員 先頭車150名 中間車163名
全長 20,000mm
全幅 2,950mm
台車 ボルスタレス台車
主電動機 かご型三相誘導電動機 140kw
駆動方式 WNドライブ
歯車比 7.07
制御方式 VVVFインバータ制御 (フルSiC)

 


 

手賀沼線増発に合わせて製造開始。5000系のマイナーチェンジ車で、2両編成も増備された。

経緯

2017年3月のダイヤ改正では、当初手賀沼線の全列車を10両編成以上にさせる予定で、そのための車両も確保されていた。しかし直通先との協議の結果、編成両数は12両、10両、8両の混在のまま、日中基準で本数を1.5倍にする大増発を行うことになった。その際の増発用車両として改正直後は予備車を使用し、その後製造されたのが5030系である。そのうえで、結果として多く残った8両編成を10両編成に置き換える際に30年ぶりの2両編成の製造が決定した。したがって、2000系の2代目とも言える車両である。

前世代にあたる5000系は新型車両の開発途中で急遽導入されたことから、当形式はその完成形であると言えるため、形式名は続き番号で5030系とされた。従来形式の番台区分とは異なり、独立した形式である。(5000系5030番台ではない)

車体
東急5050系サハ5576号車で採用された新方式のオールステンレス車体であるSustinaの技術で設計された。「Sustina S24シリーズ」にあたる。車体幅は従来通り2,950mmである。基本的な窓配置や扉の位置は5000系に準ずるが、客用窓については後述のハイバックシート導入に伴い天地寸法が変更された。
塗装も当形式から一新された。従来車と異なり溶接痕がないことから青色と緑色の細帯が幕板と窓下に入れられ、それらに挟まれた部分を黒色に塗るというもので、ホーム柵設置時にも判別しやすいよう配慮がなされた。

前面部の設計はほぼ5000系と同一であるものの、前照灯がHIDからLED式に変更された。これにより運用中の灯具交換がなくなった。

走行機器
制御装置は、フルSiC-MOSEFT素子を用いたVVVFインバータ制御で、5015番台同様全電動車(0.5M)方式である。高速度域までのスイッチングが可能となり、大幅に消費電力を削減した。主電動機は全密閉外扇式三相かご型誘導電動機で、出力は140kwである。こちらは2000系以来30年ぶりに東洋電機製の機器を採用した。制動装置は回生制動併用電気指令式空気制動であり、非常ブレーキにも回生補足機能が付いた。

 

車内設備
事実上の新形式といえ、従来と比較し以下の点が変更された。
・背もたれの長いハイバックシートを採用し、座り心地を改善
・座席横の風よけ板を大型化
・車両の両端2か所にフリースペースとよばれる場所を設置し、車いすや乳母車の利用者の利便性を向上
・各駅情報やニュース、映像を提供できる17インチ液晶画面をドア上に3つずつ設置
・座席上の荷物棚の位置を下げて積み下ろしの負担を軽減
・従来車のドア手動扱いの代わりに半自動ドアボタンを設置(これは後に常武急行全車両に波及)

・調色調光式LED照明を採用

・車両間貫通扉を大型化 ゼンマイ動力で戻る方式に変更

 

沿革
2017年4月に導入が発表され、8月に第一編成(5031編成)が落成し同年11月から営業運転を開始した。2018年までは主に増発分の製造が行われ、2両編成17本、4両編成2本、6両編成3本、10両編成4本が製造された。2019年度に入ると1000系置き換えのために長編成の一括製造もおこなわれるようになった。10両編成すべてと2019年11月以降に製造された車両は1000系との併結に対応していない。(既存の車両のブレーキ読み替え設備も2021年2月までに全て撤去された。)

運用

全線で用いられ、他社直通運用にも充当される。6両編成は2020年3月より中川線での運用も開始した。



5030系の特別塗装編成

2020年12月に竣工した第90編成(4両)および第00編成(6両)は、2021年に9000系9050番台(通称白電)が2色帯で登場してから50周年を迎えるのを記念して、同系の塗装を再現した「白電50周年号」として登場した。この編成は2018年~2020年にかけての量産車の最終編成に当たり、2021年1月現在ラストナンバーである。

基本的に6+4の10両編成で運用されており、5030系唯一の特別塗装車である。



5090番台

5090番台は常武急行初のデュアルシート装備車として2018年に登場した。

常武内ではクロスシートで他社直通できる唯一の形式である。

基本的な設計は基本番台と同一で主要機器はそのままであるが、デュアルシート導入に伴い側面窓の寸法が異なる。また、前面部のデザインが変更された。

分割併合運用に備えて6+4の10両編成で製造されているのが特徴である。

運用は当形式のみ分けられており、大きくわけて4つの列車に充当される。

1.通常運用(ロングシート)

各駅停車、準急や通勤急行などでロングシート状態で使用される。基本的には常武線内完結列車に充当。

2.A運用(クロスシート)

転換クロスシート車(3000系3090番台など)が充当される運用。日中の東京発着の急行列車および通勤快速列車がこれにあたる。

3.直通特急(クロスシート)

相模急行直通の特急列車のほか、2020年からは湘南方面への特急列車にも充当されている。


5090番台と3000系3090番台/4000系4080番台(以下3090番台)の相違点

・3090番台は片側3扉だが、5090番台は他社直通のため片側4扉である。

・3090番台は自社線専用であるため加速度が抑えられている。

・3090番台は8+4の12両編成が基本だが、5090番台は6+4の10両編成である。