[御注意] この項に登場する企業名は実在する企業とは全く関係御座いません。
基本番台(左)と5015番台(右)
編成 |
4両編成3本 6両編成5本 8両編成3本 10両編成7本 12両編成3本 |
軌間 | 1,067mm |
饋電方式 | 直流1,500V 架空電車線方式 |
最高運転速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
起動加速度 | 3.3km/h/s |
常用減速度 | 3.8km/h/s |
非常減速度 | 4.5km/h/s |
車両定員 | 先頭車150名 中間車163名 |
全長 | 20,000mm |
全幅 | 2,950mm |
台車 | ボルスタレス台車 |
主電動機 | かご型三相誘導電動機 155kw |
駆動方式 | TD継手式並行カルダン |
歯車比 | 6.06 |
制御方式 | VVVFインバータ制御 (IGBT素子) |
最後まで残った9000系の置換え、増発のために導入。
経緯
2010年になると、いよいよ9000系の状態が目に見えて悪化し、更新車であっても故障が頻発するようになった。そこで、急遽開発中であった新形式を前倒しして導入することになった。
車体
4050番台とほぼ同様にE233系の構体を使用しているが、客用窓は角ばったものに変更された。また前面部は従来とは全く異なるデザインのものが採用され、HID灯やLED式の急行灯が設置された。貫通扉上には、編成番号の下2桁が大きく表示されている。前面行先表示機は大型のものが採用され、駅番号を始め様々な情報を提供可能である。
当形式から前面の切妻構造が廃止され、2000系以来の丸みを帯びた前面部となった。これを受けて乗客の転落防止のための注意放送装置が設置された。この装置はのちに全形式に波及している。前面排障器もE233系と同一品を使用している。
走行機器
3000系からの流れで三菱電機製の機器を採用。4000系列で採用された超高出力の電動機は廃止され、電動車ユニットが再導入された。VVVFインバータ装置は2レベルIPM・PGセンサレスベクトル制御で、主電動機は155kw。そのほか、E233系と同様に機器の二重化を行い故障への対応力を高めている。
車内設備
9000系の完全置き換えを行う当形式においては「温故知新」をスローガンにし、従来車で採用された内装設備が当形式で再び採用される点がみられる。車内の基本的な設備は4050系列と同一だが、以下の点が変更された。
・窓形状の変化に伴い車端部を除くすべての窓が開閉可能になる
・丸形のつり革を採用し、優先席付近のものは大型化
・10両編成および8両編成の車端部の座席向かって右側をボックスシート化
・ボックスシート部の客用扉側には跳上げ式の補助席を設置
・客用扉付近の足元に照明を設置
沿革
2010年に10両編成3本と4両編成3本が導入され、2013年までに116両が製造され9000系を置き換えた。2012年には12両固定編成も製造されている。当形式は9000系との併結設備(制御信号読み替え装置)を備えていなかった。(当時9000系は10両固定編成のみの在籍であり、2両編成が存在しない当形式との併結の機会はなかった。)9000系の置き換えが終了すると大規模な増備は終了したが、その後も増発のたびに少しずつ導入された。2015年以降に増備された編成(第15・16編成、第25~27編成)は5015番台と呼ばれ、以下の点が変更された。
・LEDスクロール式の車内案内表示機を廃止し、17インチの液晶画面を2つ搭載した。
・1990年代半ばに計画された「3両単位」構想(2000系の項を参照)の議論が再び行われるようになったため、1両に電動台車と付随台車の1つずつ履き、運転に必要な機器を1両にまとめて搭載する0.5Mシステムを採用した。これはJR西曰本の321系などで採用されたシステムである。
・自動車内放送装置を設置した。この装置は2018年度から他形式への設置も開始された。
・全席ロングシートにされた。
その後、当形式をさらに発展させた5030系へと移行された。
運用
他形式と同様に、中川線を除く常武急行全線および直通先全線に対応している。また、他形式との併結も頻繁に行われている。
塗装変更車
2015年9月に発生した豪雨被害の大洪水で大打撃を受けた常武急行とその沿線地域は、一体となった復旧を目指すことになり、その第一弾として常武急行では関東平野の自然をイメージした特別塗装の列車が走ることになった。当形式の第8編成は河川をイメージした青の塗装に変更された。