[御注意] この項に登場する企業名は実在する企業とは全く関係御座いません。
編成 | 4両編成8本 6両編成12本 10両編成27本 12両編成5本 |
軌間 | 1,067mm |
饋電方式 | 直流1,500V 架空電車線方式 |
最高運転速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 3.3km/h/s |
常用減速度 | 3.8km/h/s |
非常減速度 | 4.5km/h/s |
車両定員 | 先頭車155名 中間車168名 |
全長 | 20,000mm |
全幅 | 2,950mm |
台車 | ボルスタレス台車 |
主電動機 | かご型三相誘導電動機 95kw |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン方式 |
歯車比 | 7.08 |
制御方式 |
VVVFインバータ制御 (GTO素子) 3080番台 (IGBT素子) |
209系と同一の設計を採用し、9000系の置換えと10両編成化推進の為大量増備。現在の常武急行の主力車両。
経緯
1990年代に入ると、バブル経済は徐々に陰りを見せるようになった。常武急行が東京や近郊に多数所有していた土地、不動産が経営に影を落とすようになり、「常武フィーバー」の時代は終わりを迎えた。さらに、1991年にソ連が崩壊すると、常武急行が大規模インフレーションを目論んでペレストロイカ以降に大量購入していたソビエトの資産価値が低下し、1993年には倒産一歩手前まで追い込まれる危機的状況に陥った。そのような状況のなか、9000系初期車の老朽化が進み置き換えの必要が出てきた。経営状況を考慮し1両当たりの価格が非常に高価な2000系の増備は中止され、低価格で大量導入できる新形式の導入が決定した。そこで当時JR東日本が導入していた209系に目をつけ、209系と部品を共通化した車両を製造することにより価格を抑えようとした。こうして3000系が誕生した。
車体
209系を参考に拡幅車体を採用したJRのE217系と同一のものを採用。当形式から車体幅は2,950mmとなった。扉間の窓は固定式一枚窓とされ、車端部のみ開閉式とした。(209系基本番台と同一・後年一部の窓に対し追加で開閉化改造を実施)前面部は貫通扉付きのオリジナルデザインの物を採用したが、運転台機器なども同一のものが採用されている。行先表示機は幕式であるが、209系の物より若干大型である。帯の配色も変更され、鴨居部に青帯、腹部に緑帯となった。
走行機器
こちらも209系とほぼ同一のものを採用。MT比は編成両数によって異なるが、3.3km/h/sの加速度を実現するために209系よりは許容回転数の高い電動機を搭載している。制御装置については、E217系と同一品を採用した。そのほかの床下機器もすべて209系と同一である。
車内設備
これも当然209系と同一のものを多く採用。ただし、常武急行ではドアの手動扱いを行うことが多かったため、ドアエンジンはそれに対応している。そのほか、側面客用窓は鉄製枠で日除けが設置され、つり革も丸形が採用されるなど、従来車と仕様を統一している個所もある。
また、第2編成以降の10両編成に限り、北利根よりの2両にボックスシートが設置された。扉間に片側それぞれ2つずつ、中間車1両あたり12組、先頭車1両あたり8組分配置されている。この車両は車端部除くすべての側面窓が一段降下式とされている。
沿革
1994年12月に第1編成(10両)と第11編成、第12編成(各4両)が営業運転開始。当初は翌95年春の開始予定であったが「常武急行からのクリスマスプレゼント」と称して前倒しされた。95年から本格的増備が開始され、2002年まで製造が続いた。製造の過程において数回の仕様変更が実施されている。
基本番台 第1編成~第10編成(各10両) 第11編成~第14編成(各4両)
基本番台
3030番台
1996年度以降製造車(3000系3030番台)
第31編成~第34編成(各4両) 第35編成~第38編成(各6両) 第41編成~第48編成(各10両)
変更点
・行先表示機が3色LEDのものに交換された。
・側面の窓が一部開閉可能となった
・この番台から一部の編成の製造をJR東曰本の新津車両製作所(現総合車両製作所)が担当している。
3050番台
3050番台
(12両固定編成)
1998年度以降製造車(3000系3050番台)
第51編成~第58編成(各6両) 第61編成~第65編成(各10両) 第71編成~第75編成(各12両)
・主電動機がMT73形と同一品になった
・集電器がシングルアーム型に変更された
・1999年に製造された第71編成~第75編成は1997年より開始された12両運転に対応する12両固定編成で、2021年現在日本の普通旅客電車では単独最長である。
・6両編成については2014年7月から中川線でも運用されている
2002年度製造車(3000系3080番台) 第81編成~第84編成(各10両)
当時209系は製造終了していたため、生産中であったE231系の要素を多く取り入れた車両となった。
変更点
・側面窓はE231系に準じた熱線吸収ガラスに変更され、扉間の窓は原則開閉可能となった。なお、カーテンは引き続き設置されている。
・床下機器もE231系と同一品を採用
・車内案内表示器を2段式に変更
この番台は全編成が新津車両製作所製である。
沿革
登場時は主に各駅停車を中心に運用され9000系の未更新車を置き換えたものの、3030番台の導入が始まったころから常武急行全線で増発が行われるようになり、置き換えのスピードが遅れるようになった。
1997年から開始された急行・通特・準急の12両編成運転は、基本的には既存の短編成の増結(おもに6両+6両、8両+4両が多かった)で行うが、1999年から登場した当形式の12両固定編成(3070番台)も有効活用され、中間運転台が無いことを武器に特に混雑のひどかった列車に充当された。
車両の全般検査等をJR東曰本の施設で行うこともある。
2002年に導入された3080番台はE231系とほとんど同一の設計であり、JR車両と連結して試運転を行ったこともあった。
当形式は、現在でいう「標準車両」の草分け的存在である。
編成 | 4両編成7本 8両編成7本 |
軌間 | 1,067mm |
饋電方式 | 直流1,500V 架空電車線方式 |
最高運転速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 2.8km/h/s |
常用減速度 | 3.8km/h/s |
非常減速度 | 4.5km/h/s |
車両定員 | 先頭車133名 中間車144名 |
全長 | 20,000mm |
全幅 | 2,950mm |
台車 | ボルスタレス台車 |
主電動機 | かご型三相誘導電動機 95kw |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン方式 |
歯車比 | 7.08 |
制御方式 |
VVVFインバータ制御 (GTO素子) |
3090系は1997年に登場した区分で、常武急行初の転換クロスシート車両である。JR京阪神快速線、京阪電車や京浜急行などの優等列車を参考に片側3つドアの車体が採用された。客用ドアのうち両端の2ドアは4ドア車と同じ位置にすることで、ホーム柵の設置時にも乗降が可能なように設定されている。8両編成と4両編成が存在し、番号は12両を1セットとして附番されている。前面には識別用の白帯が入っている。
走行機器類は3050番台をベースとしているが、地下鉄直通運用がないため起動加速度は2.8km/h/sに抑えられた。また、快適性の向上をねらい2000系以来となるヨーダンパが設置された。
車内設備も基本的には3050番台と同一であるが、JR西日本の223系に準じた転換クロスシートを採用。2席+2席の配置で、全座席が進行方向を向くように設計されている。扉付近には跳ね上げ式の補助席を備えた風切板が設けられており、この補助席は混雑時には施錠され下せなくなる。座席は車端部には2列、扉間7列(先頭車の運転台側のみ5列)で中間車一両の座席定員は72名(補助席も含めると88名)である。立席にも配慮し、つり革が通路にも設置されている。
車内案内表示器は従来の鴨居部のほか、車端部にも設置され着席者からも見やすい設計である。また、蛍光灯カバーの設置や網棚の飾帯なども設置されている。
運用
座席定員制列車である通勤快速や、日中の東京発着の急行などで使用されている。3ドアであり詰込みが効かないことからラッシュ時は通勤快速以外では使用されないが、平日早朝の列車などでも使用されている。早朝深夜に各駅停車での運用も存在したが、各線の優等通過駅でホームドアの設置が進んだため現在は行われていない。
なお、非常時にホームドア設置駅で停車した場合に備え、車両両端のドアのみ開閉できるシステムを搭載している。
当形式は12両を一体として運用されるが、前述の深夜早朝の列車や川間線・坂東線系統の通勤快速などでは8両と4両に分割して運用することもある。当形式も常武急行全形式との併結が可能であるが、同様の転換クロスシート車両である4000系4080番台をのぞいて行われることはない。
塗装変更車両
2015年9月に発生した豪雨被害の大洪水で大打撃を受けた常武急行とその沿線地域は、一体となった復旧を目指すことになり、その第一弾として常武急行では関東平野の自然をイメージした特別塗装の列車が走ることになった。第8編成は月光を、第45編成は夕焼けを、第62編成は田園をそれぞれイメージした塗装に変更された。
今後の予定
209系とは異なり30年程度使用可能な設計にはなっているものの小規模な更新は逐次行われており、行先表示機のフルカラーLEDへの交換、座席モケットの交換、床材の張替えなどが行われている。大規模な更新の予定はない。置き換えは2000系と同じタイミングで行われることが発表されているが、具体的な時期は決まっておらず当分は主力車両として君臨する見込みである。